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小泉 安郎*; 八木 純二*; 熊丸 博滋
JAERI-M 93-199, 48 Pages, 1993/10
本報告書は、原研が1990~1992年度に工学院大学に委託し実施した「フラッディング二相流の研究」の結果をまとめたものである。流路内を液相が流下し気相が上方に流れる対向流状態においては、気相流量の増加に伴い液相が上昇流に遷移する現象が見られる。この現象はフラッディングと呼ばれ、PWRの小破断LOCA時にSGU-チューブ内等で発生するが、流路下部に気液の混合物が存在する場合についてはよく理解されていない。本研究では、流体としてフレオンR-113を用いて実験を実施した。実験結果より、流路下部に気液の混合物が存在する場合のフラッディングは、気液混合物の液面最高高さが管路上端に達することにより発生することが分かった。また、著者らが既に水-空気系の実験より導いたフラッディング速度相関式は、気液の物性値の影響を考慮すれば、フレオンR-113系へも適用できることが明らかになった。
安濃田 良成; 中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二
Journal of Nuclear Science and Technology, 25(2), p.143 - 152, 1988/02
自然循環による炉心冷却効果は、BWRの小破断LOCA過程や再循環ポンプ停止を伴う各種の過渡状態において、非常に重要である。この様な、原子炉容器内残存水量が減少した場合のBWR自然循環実験自然循環挙動を解明するために、ROSA-III装置を用いて実験を行なった。実験の結果、残存水量の減少に伴い自然循環のモードが、1)主循環モード、2)内部循環モード、3)開ループ(炉心露出)モードに変化することを明らかにした。さらに、内部循環モードに対する解析モデルを開発し、炉心露出限界を導いた。この解析モデルは、圧力7.35及び2.06MPa、炉心出力20%相当以下の準定常自然循環実験におけるシュラウド内二相混合水位及び炉心露出限界を正しく予測した。また、この解析モデルを用いて、実炉の自然循環挙動の予測を行った。